プロ家庭教師の考える「力のつく」勉強法

札幌のプロ家庭教師が、これまでの指導経験と勉強法に関する考えを公開します。

春の勉強と春期講習

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先日、北海道の公立高校の入試が終わりました。みんなどうだったでしょうか。実力は出せましたか。とりあえず、終わってホッとしましたね。

受験生でない中1,2の生徒は、この時期何をすれば良いでしょうか。

1年間の復習をしよう

3月からしばらくは定期テストがありません。しかも学校の宿題も出ない(少ない)ので、自分でまとまった復習ができます。それで1年間の復習をすることをお勧めします。といっても、1年分すべてを復習するのはなかなか大変なので、教科・単元等を絞っても良いですね。例えば、

①数学・英語にしぼる:特にこの2教科は前学年からの積み上げが必要な科目なので、曖昧な点は解決しておきましょう。教科書レベルの基礎的な問題で良いので、もう一度解き直してみましょう。

②理科・社会の苦手単元に取り組む:理科や社会の特定の単元に苦手意識のある人はこの時期にまとめ直してみるのも良いですね。特に理科の計算が関係する単元は早めに対策を取っておいた方が良いですよ。理科の計算は小学生レベルのはずなので、本来は難しくないはずなんです。落ち着いて取り組んでみましょう。

定期テストのやり直し:このブログの以前の記事でも取り上げたことがありますが、定期テストのやり直しは手っ取り早い復習法です。忘れてしまった単元や間違った問題を確認し、教科書などで時間をかけて復習しましょう。

塾の春期講習を活用し、模試を受ける

塾の春期講習では、大抵は1年間の復習をしますので、それを活用しても良いですね。そして、講習のまとめに模試を受けて「現在地」を把握しておくのも良いと思います。1年間の「刺激」になりますね。

私の塾でも3月下旬から春期講習を開講する予定で、現在生徒を募集しています。

classroom-ys-sapporo.jimdo.com

この時期を活かして、来年度のスタートダッシュにつなげて欲しいと思います。

 

残念な勉強の傾向

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効率良く勉強できればと思いますよね。大事なところを見抜く。テストに出るところだけを勉強する。それができたらいいですよね。でも、ですよ。勉強する人はあまりそこにこだわっていないですね。
一部の生徒に見られる気になる残念な勉強の傾向があります。

1.手っ取り早い解決法を知りたがって基礎をないがしろにしている

「ここをこうやれば、このタイプの問題は解けるんですか」という質問を受けることがありますが、そういう人は問題の要点を見抜いていない、というよりその気がない。この手の考えの人は少しひねった問題が出ると、ころっと引っかかります。基礎がないんですよね。「簡単に解ける方法」を模索している人は絶対に成績が上がりません。断言できます、これは。

一見簡単そうに見える問題を難なく解けて、しかも理屈をしっかり説明できるまでに理解する。基礎を大切にしましょう。これは、わたしがこのブログで繰り返し主張していることなんです。

背伸びをせずに、まずは教科書と学校のワークから、です。

2.ノートやまとめ方に独自の美学を持ち込んで自己満足

綺麗な字で書きまとめることは否定はしません。でもテスト直前までそれにこだわっているのは、はっきり言って無駄です。綺麗なまとめノートができても、頭に入っていなければテストで解けるわけがないですよね。ノート持ち込みテストでない限り。

だから、ノートまとめに走っている生徒にはテスト1週間前までで終えるように指導しています。それ以降は無駄というか間に合いません。問題演習の時間が奪われてしまいます。特にノートまとめは社会や理科の暗記科目で行うことが多いと思いますが、暗記の確認を問題演習で行わないとテストで痛い目にあいます。その時自己満足だったことに気づくのです。それはテストの時ではなく、テスト勉強の時に気づいて欲しいのです。だから、1週間前からは問題演習なのです。

もともと学校のノートが綺麗な人や先生が丁寧なプリントを作ってくれている人に限って、さらに綺麗なノートを作ろうとすることが多いです。全くの無駄です。それをやる時間があるなら、チラシの裏でも使ってノートの内容を書きなぐって、一生懸命頭に入れることをやってほしいです。この泥臭い作業を嫌がってスマートに勉強しようとしている人は成績が伸びない。勉強ができる人は泥臭く勉強しています。

3.丁寧すぎる親の指導を当たり前と思っている

ワークのここを解きなさい、こうやれば解ける、ということでノートに付箋を貼ったり、解答欄に目隠しを作ったりしている、中学生の親御さんがいらっしゃいます。間違いではないですが、子どもは能動的にならないですよね。これは本来子ども自身がやるべきなのです。親が勉強のお膳立てをするのが当たり前と思っている子がいますが、中学生にもなって恥ずかしいことです、率直に言って。

「お母さんが…を準備してなかったから」「お父さんが…をしろと言わなかったので」という言い訳を平気でする中学生もいます。

細かい勉強指導より、どうすればノートを活用できるのか、ワークを活用できるのか、子ども自身に考えてもらうはいかがでしょうか。

親御さん、これはやりすぎだよ、と感じることがよくあるんです。生徒にはこう言います。「これくらい君が考えろよ、君の勉強なんだから」。勉強の計画も含めて、子ども自身がまず考えないと、いつまでたっても受け身です。

学校では計画を立てさせたり、勉強法を自分なりに考えさせたり、それを表にまとめるように指導したりしていますよね。親御さんには子どもが立てた計画や、勉強を褒めて欲しいです。それが役割です。否定はしない。「なるほど」「いい考えだね」「よくやっているね」と褒めてほしいです。否定したくなったら「そのあと、こうするといいかもね」とか「これを頭に入れたら完璧だね」「繰り返すとうまくいきそうだね」とまずは受け入れてさらなる提案するスタイルにすると良いでしょう。上記のようにノートまとめをいつまでも行なっていたら「その綺麗なノートは記憶に残りそうだね。それを頭に入れると完璧だね」というのはどうでしょうか。

遅れ気味なら、励ましましょう。「ダメじゃないか」ではなく「これからこうすると遅れを取り戻せそうだね」と前向きな提案をしましょう。

せっかく自主的に能動的に勉強しようとしているのですから、それを否定したら、じゃあどうすればいいんだよ!ということになります。むしろ、その姿勢を褒めましょう。多少おだてるつもりで、のせてあげてください。

4.とにかく集中力がない

物をよく落とす。遅刻ぐせがあって授業に間に合わない。机に向かっても、ペンケースをいじったり、シャープペンシルの芯をいじったり、教科書に折り目をつけたり、壁にはってあるプリントをいじったり、教科書を出したりしまったり、いろいろあってなかなか勉強をスタートしない。

メリハリのきかない、けじめのない生活を送っているとしたら、そこから改めましょう。60分勉強に集中するのが辛かったら、まずは20分から始めましょう。だらだら、ぐずぐずを続けるのは時間の無駄です。

勉強は誰のため

ほかならぬ自分のための勉強ですから、その自覚を持って取り組んで欲しいものです。このことに受験直前に気づく子がいます。ちょっと遅かったかな。

幸い、当塾はその自覚のある子が多く、塾に来るなり黙々と勉強を始める子がほとんどで、感心しています。今は特にテスト前なので、シーンとしています。いい集中力です。

 

 

入試直前に何をしますか

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冬休みが終わって、中3は入試本番が始まりました。いよいよ、という感じです。健康管理に気をつけて、全力で頑張って欲しいです。

取るべき点をしっかり取ろう

北海道の受験生であれば、当然自分のランク(学習点)を把握しているでしょうし、入試で何点取れば合格できるのかもわかっているでしょう。それで、まずは自分が取るべき点を確実に取る練習をすることが大切です。つまり大胆に言うと、合格点をしっかり取れればそれで良い、それ以上は必要ない、とはっきり割り切ってしまうことです。

この時期成績を上げる、とか、少しでもレベルの高い高校へ、と意気込む必要はないですよね。願書も出してしまったし、ランクもほぼ決まりですから、ね。むしろ、ミスなく点を確実に取ることが重要です。それで、今さら難しい応用知識を詰め込もうとしたりするのではなく、むしろ入試で解くべきでない問題は大胆に捨て、解ける問題・解くべき問題を判別して、それに時間をかけて確実に解く練習をしましょう。

周りに惑わされず、基礎を大切に

この時期、周りの同級生(しかも上位校を受験する子)がレベルの高い入試問題にチャレンジしているのを見かけますよね。それにつられて自分も解きたくなるのか、その問題を解説してくれ、と言ってくる子がいます。でも「君はこの問題を解ける必要はないよ」と言いたくなることがよくあります。決して馬鹿にしているわけではありません。それを解く時間があるなら、基礎問題を解く練習をした方がよほど高得点を狙えるのです。その難問を解いても3−4点です。でも、基礎問題を10点分間違っていたらどうしようもないですよね。

自分が難しいと思う問題は、みんなにとっても難しいのです。その高校の受験生はほぼ同じレベルですから。それより、みんなが解ける問題を自分が解けない、というほうが大問題ですよね。そうならないための訓練を今するべきなのです。

基礎的な問題が正解できれば7−8割得点できる

公立の入試は実は、基礎問題がほとんどです。標準問題の入試であればなおさらです。(北海道の公立校の入試には国数英に標準問題と裁量問題の2種類があります。)ですから、基礎を確実に得点できれば8割近く得点できます。300点満点の入試で、210~240点は取れます。基礎ができていれば。これは本当です。

だから下手に手を広げず、やはり基礎です。かと言って、今基礎問題集に戻るのはかえって不安になるかもしれませんね。それで模試や過去問を活用することをお勧めします。

模試の時も確実に得点する練習をするつもりで

塾で連続して模擬試験を受けている人も多いと思いますが、解くときはぜひ何を解くべきか、何に時間をかけるべきかを判断することも意識して欲しいですね。

そして、答案が返されたら改めてその判別をしてみるのです。「この問題は解けたはずだな」「これは難しいかった、解けなくてもしょうがない」「これは解けるようになるかもしれない」というように「自分にとっての」問題のレベルを分析します。そして、もう一度解けるべきだと思った問題だけを解く。それだけで、合格点に届くはずです。

いわば「試合巧者」になる訓練をするのです。

過去問や過去問を単元別に集めた問題集に取り組んでいる人もいると思いますが、受験校によっては、全部に取り組む必要はないかもしれませんよ。塾や家庭教師の先生と相談すると良いかもしれませんね。

毎年同じ思いをしています

こちらも緊張してきます。最後の最後、何とか点が上がらないかなーと力が入ります。泣いても笑ってもあと1ヶ月半。みんなが笑顔になれるといいなー。

12月から2月まではまとまった復習のチャンス

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冬の時期に2学期の復習をしっかりと行うことをお勧めします。そのために。

定期テストをもう一度

やれと言われてもなかなかやれないのが、テストの復習です。が、これは良い復習教材ですよ。一度は本気で解こうと思った問題がずらりと並んでいますから、思い出しやすいし、頭にも入りやすい。勉強した事柄のエッセンスが詰まっているのは言うまでもありません。ぜひ、やってみて欲しいですね。

思い切って1学期からの総復習をしよう

塾の冬期講習に行きますと、そこで使用されるテキストはたいてい1,2学期の復習内容となっています。それに合わせて、教科書の問いや学校のワークをやり直すことも有効です。塾のテキストでわからない単元がでてきたら、それに合わせて復習してみるのです。

2学期の成績が不振だった人、特に英語・数学に問題を抱えている人は、1学期の基礎内容をしっかりと復習しましょう。基礎問題だけでもいいですよ。

超基礎内容の復習もできる

英語なら、文法や読解はあえて棚上げして、英単語に集中して復習するのも良いですね。学校の授業が始まればそんな時間は取れないかもしれないので、この時期を活用しましょう。特に中2の皆さんは、中学校生活が半ばを過ぎたいま、ここで全単語をチェックするのはいかがですか。いい時期です。

数学の基礎計算が曖昧な人は、中1の正負の数の計算から謙虚にやり直してみるのもいいですね。最初は簡単で、計算もシンプルですが、それらの問題を丁寧に解きます。どこまで確実に理解していて、どこからわからなくなっているのか、分析しましょう。基礎計算が確実になれば、あっという間に苦手意識が薄まっていくことがあります。

定期テストの合間を活かす

年に何回か、基礎の復習に時間の取れる時期があります。この時期の過ごし方は、特に学力テストの成績に影響します。ぜひ、この時期を活かして欲しいですね。

小学校5年生が準備期間1ヶ月で英検準2級の1次試験に合格しました

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当塾の小学校5年生(男子に国語と社会を教えていたのですが、1ヶ月前に英検を受けることになったので指導してほしいという依頼があり、お引き受けすることにしました。果たして間に合うのか、そもそも小5で合格できるのか、不安がありましたが見事に合格しました。

生徒の背景

先述のように普段は国語と社会を指導するのみで、他の教科は他の塾で指導を受けています。英語に関しては、小学生英語を小1から習っています。準2級に挑戦する、ということですから、3級は取得していました。

英語の実力

最初の指導日に、家で解いてみたという過去問2回分の結果を見せてもらいましたが、50-55%くらいの出来でした。読み取りやすいときと読み取りにくいときがあるようでした。単語力が不安定なんですね。

3級を持っていると言っても、基礎は全然できていない、との親御さんの話があったので、実力を確かめようと一緒に過去問を分析しましたが、「現在進行形」「完了形」や「不定詞」などの文法理解はおろか、その用語すら知らず、少し驚きでした。

小学生英語では全くの基礎しか習っていないようです。英語のレベルは中学校1年生レベル、という感じでした。

戦略・作戦

さてどうしたら良いものか、と考えましたが、中学校の基礎から教えていく時間はないので、文法の説明はほどほどに、とにかく英検のテストの形式に特化した作戦を立てました。英語を理解することを目指すのではなく、英検の合格のみを目指し、パターンに慣れることを目指すわけです。

といってもなにが特別な作戦を立てたわけではありません。旺文社の参考書を忠実に使っただけです。ただ、この「忠実に」というところがポイントです。

まず「DAILY20日間 英検準2級 集中ゼミ」という問題集をやり遂げることにしました。文法説明はそこそこにして、問題演習に徹しました。また、単語や熟語はその問題集に出てくる単語で単語カードを作り、覚えるようにしました。リスニングも付属CDを活用しました。英作文対策もこの本の指示通りに練習しました。旺文社の本は英検の問題や解き方の戦略を教えてくれていますので、これを実際の試験でも適用できるよう訓練した、という感じです。

手を広げることなくこの本と心中するつもりで、この本の言うとおりにやりました。すべてを2回繰り返したかったのですが、2回目は単元をセレクトして進めました。

単語力に不安がある子だったので、「でる順パス単」を使いたかったのですが、時間がなかったので、それはあきらめて「集中ゼミ」の単語にしぼりました。

最後の1週間は過去問を3回分を2回ほど繰り返し、パターンを体に染み込ませました

結果

 英検CSEスコア

Reading:438(正答率54%)  Listening: 439(正答率57%) 

Writing: 523(正答率88%)  1次合計:1400

合格基準1322でしたので、少し余裕があったように見えますが、実際はReadingとListeningは合格者平均を下回っていまして、Writingの思いがけない高得点で逆転勝利、という感じです。でもそれは「集中ゼミ」で書き方をしっかりと訓練した成果だと思います。

このたびの指導の感想

Writingで高得点を上げる、ということは全く予想してなかったので、そこは驚きました。しかし考えてみると、英作文はこなれた文よりも、やさしい文法で慣れた単語を使って文章を作り上げていくので、乏しい単語力でもなんとかなるのかもしれません。

それでもやはり単語力の大切さがわかりましたし、単語力があればなんでも易しく感じます。逆に単語力がないと、簡単な文法説明も難しく感じてきます

このたびはテクニック的な面を指導して合格しました。が、英語の技量はまだまだです準2級合格自体はすばらしいことです。並大抵ではできないことです。ですが真の英語力があるとはまだまだ言えません。この生徒には、改めて英語をじっくり学んでほしいなと思っています。

 

追記:

後日、二次試験が行われ、合格しました。

二次試験の結果は以下のとおりです。

Speaking:447 (合格基準 406)

見事に準2級取得です。

 

きれいなノートはいつ作るのか

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〇〇大学に受かった学生さんのノートはきれいだ、とか、成績の上がるノートのとり方、とか、この手のトピックは人気があります。社会人にも受けがいいですね。ですが、ノートがきれいだけでは成績が上がらないのも事実。

ノートはいつ作るのか

テスト直前にノート作りを始めてしまう人がいます。「悪いこと」ではありませんが、「遅いこと」ではあります。きれいなノートにこだわるのは「普段」の話です。テスト前はそのきれいなノートを使って、頭にしっかりと内容を叩き込まなければなりません。学校のノート検査ではいい評価をもらえるでしょうが、作ることで満足しては片手落ちです。目的を逸しています。

なぜきれいなノートを作るのか

いろいろな考えがあると思いますが、わたしは「記憶の負担の軽減」にその目的があると思います。色使いや箇条書きの用い方、など、様々な提案がありますが、結局のところ頭に残りやすい方法が良い方法、ということになります。

ということは、ノートを記憶のために用いなければ、なんのためのノートなの?ということになります。きれいなノートを作ったならば、見返さなければ意味がありません。

ノートのとり方を教えますか

最近わたしはノートのとり方を教えていません。それは、街の本屋さんに並んでいる本に任せることにしました。こだわりは捨てました。

というのは、私自身かつてはノートのとり方や美しさにこだわった人間だったのですが、成績向上に一番役立ったのは、必死に書きなぐったり、何度も読んだり、聞いたり、泥臭い必死な勉強だった、と思うからです。ある程度のきれいにまとめたら、あとはガンガン繰り返して書き、読み、問題を解いたのです。スマートではないですが、これが一番でした。

カラフルでも、地味でも、余白があろうがなかろうが、その子にとってある程度の読みやすさ、見やすさがあれば十分です。

もちろん塾の生徒たちにも、学校ではきれいなノートを作って欲しいとは思いますが、こだわりはない、ということです。

2学期はテストだらけ

2学期は定期テストが2回、学力テストが3年生は3回、1,2年生でも1,2回あります。忙しいですが、だからこそノート作りだけでなく、記憶に定着させる作業もしっかりとやって実践力を培うことを忘れないでほしいですね。

テストでは、問題を解くのですから。

 

小学生が中学入学前までに最低限勉強しておくべきこと

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小学6年生の9月頃から「中学準備講座」と題する授業を開催する塾があります。塾によって内容は様々です。先取りしたり、復習したり、いろいろありますね。

これまで中学生を指導してきて、小学生の間にこれだけはできていてほしい、と感じることがあります。

中学入学前に復習しておきたい10のこと

1.漢字は完璧に

小学校で習う漢字は1006文字ありますが、すべて読み書きできるようになっていてほしいです。漢検で級を取ることは求めませんが、小学校の漢字をマスターするために利用しても良いと思います。とにかく、読み書きできれば良いのです。

北海道の公立高校入試の場合、漢字の「読み」は中学範囲から出題されますが、「書き」は小学範囲からです。小学漢字は一生懸命にやる価値が大いにありますよね。

漢字が得意になると、語彙が豊富になります。語彙が豊富になると、読解が楽になります。読解が楽になると、各教科の教科書が読みやすくなったり、先生の話を理解しやすくなったりします。

2.分数と小数の計算は迷いなく

小学5年生と6年生の算数で、分数と小数が一気に難しくなりますが、計算を確実にできるようになってください。もちろん応用問題もできてほしいですが、最低限計算が迷いなくできるようになれば、中学校に入ってからもついていきやすいです。逆に、これができていないと中学最初から思いっきりつまずきます。

分数の計算では、通分、約分や最大公約数、最小公倍数の理解が必要ですが、それらも使いこなせる必要があります。帯分数を仮分数に直すことも必要ですね。

小数なら、小数×小数の計算や小数÷小数の計算で、小数点を正しく打てなければなりませんね。

3.単位あたりの量の概念を理解

一人あたり〇〇円、1メートルあたり〇〇グラム、という概念や求め方を理解しておきましょう。

というのは、これは速さの計算や理科の密度の計算、地理の人口密度の計算につながるからです。理科の計算問題に苦手意識を持つ子は少なくないのですが、実は計算は小学校レベルです。

4.割合と百分率の計算ができる

これは数学はもちろんのこと、理科にも関係してきます。数学の1次方程式や連立方程式の応用、理科の湿度の計算はこの単元の理解が必須です。3の単位あたりの量の概念と合わせて確実に理解しておきたいところです。

5.47都道府県の名前と位置と県庁所在地を覚える

受験に有利だからではなく、常識として覚えてください。地図をリビングやトイレに貼っておけば自然に覚えられます。ニュース番組や天気予報を見るたびに確認するのも良いでしょう。とにかく、常識として。

同時に目立つ河川や湖、山、海流、島なども覚えられると良いですね。厳密な位置が覚えられなくても構いません。「見覚えあるな」「たしかこのあたり…」「きいたことあるな」というレベルでもOKです。

6.世界の主要国とその首都を知っている

5と同じく、常識として覚えてほしいです。これも地図を貼っておいて自然に覚えましょう。これも、河川、湖、山、海流、島などが覚えられたら、ベストです。

7.アルファベットと簡単な英語のあいさつ

小学校英語が本格的に始まり、今後小学生がどの程度まで英語を理解して中学に上がるのか楽しみですが、とりあえず今の段階で言えるのは、アルファベットと簡単なあいさつが聞き取れて、書ければ、中学についていけるでしょう。

色の名前、月の名前、季節、数字等も習いますが、これらは中学でも改めて習います。聞き覚えがある、一回覚えたが忘れた、でも構わないと思います。ようは、英語に慣れていていほしい、ということです。

8.聖徳太子から明治維新までの歴史の流れをざっと

詳しい知識は不要です。時代の名前を最初から言える、おもな人物を言える、おもな戦乱を言える、くらいで構いません。NHK大河ドラマを見て「この話、聞いたことある」「この人、聞いたことある」くらいに思えれば良いのです。

文化の知識は不要ですね。それは中学でしっかり勉強しましょう。縄文や弥生は小学校はなぜかしっかり学ぶので、自然に覚えられるでしょう。近現代は難しいので、うろ覚えでOKです。これも中学でしっかりとやりましょう。

9.面積・体積は問題なく求めることができる

公式を覚えておくことはもちろん、その計算が不自由なくできるようになっておきましょう。つまり、正方形・長方形・平行四辺形・台形・ひし形・円の面積、円周、立方体・直方体・角柱・円柱の体積などです。

できれば単位の換算も完璧にしたいですね。これらは数学と理科に関わってきます。

10.新聞の見出しとNHKのニュースのヘッドラインを見ている

今の社会に関心を持つべきです。今の首相の名前、世界各国の首脳の名前、紛争、オリンピックなどスポーツイベントなどです。時事問題、社会の地理・歴史・公民全てに関わってきます。

インターネットは不要な情報を省き、必要な情報のみを得られる便利デバイスです。しかし子どもは、情報の要不要の判断がどうしても稚拙になり、興味のあるものしか見ないので、その結果常識を知らず、大切な情報を知らない、ということがあり得ます。

その点、新聞は読み手の興味に関わらず、いろいろな情報を提供してくれます。見出しを追うだけでもかなり知識が入りますし、興味を抱かせるかもしれません。NHKのニュースも詳しく理解することはできなくても、今何が問題になっているかぐらいは見ておきましょう。午後7時のニュースは30分で、コンパクトに情報が得られます。

※(番外)惑星と主な星座を知っている

中1の単元ではあまり扱わないのですが、できれば惑星はすべて言えるようになっておきましょう。星座は、教科書に出てくるものを各季節2-3ずつぐらい覚えましょう。常識的範囲で結構です。

地学(天文学)は興味のない人にとってはかなり苦痛のようで、スケールの大きさと空間的な感覚がつかめないと、全くついていくことができなくなります。少しでも負担を減らすためにもあらかじめ常識を身につけておきましょう。天文学は中3の受験直前に習います。

中学入試を考えていないなら

中学入試を受けることなく、公立中学校に入学して、それなりのレベルの高校を目指す、というのであれば、最低限、上の10項目は意識してほしいですね。

もちろん他の知識も必要です。あくまでも「最低限」という意味で提案させていただきます。