読解力向上のために、日々頭を悩ませています。
マンガが読めない子が多い
生徒たちに国語の読解問題に取り組んでもらうのですが、すぐに「わからん」と言ってくる子がいます。様子を見ていると、まずは読んでいない、というか、読もうとしない。じっくりと文字を追って、意味を汲み取ろうとする意欲が欠けているのです。私が横から解説すると「わかった」と言いますが、手取り足取り状態で、これでは読解になりません。
動画サイトばかり見ているせいなのか。原因はいろいろあると思いますが、時間をかけて解答を探そうという作業を嫌がります。
そこで、たくさんの文字を読むのがダメなのかな、と思いまして、ある子に「好きなマンガを持ってきて30分ほど読んでもいいよ」と指示してみました。文字も少ないし、イラストもあるので読みやすいと思ったのです。次の週に、家から自分のマンガを持ってきて読み始めたのですが、残念ながら、読んではいませんでした。読めていない、という方が正しいかもしれません。だらっと、絵を漫然と眺めているだけで、台詞を読んだり、内容を掴もうとしたりしていないのです。マンガも読めないのです。それなのに、なぜマンガを持っているのか、と思ってしまいました。
親御さんたちに聞くと、マンガを読めない子は結構多いことに気づきました。さて、どうしたものか。
ドラえもんを読んでもらおう
そこで、積極的にマンガを読んでもらう方法を考えました。それでたどり着いたのが、「ドラえもん感想文」です。
なぜ「ドラえもん」なのか。それはパターンがある程度決まっているからです。「のび太がこまる」「ドラえもんが道具を出す」「面白い失敗をする」等は、どのエピソードにも出てくる状況です。これを探していくのは読解の基本となるのではないか、また少しでも「食いつきやすい」のではないか、と思いました。
そこで、「タイトル」「のび太が困ったこと」「ドラえもんの道具の名前」「何ができる道具か」など、項目別にまとめてもらうプリントを作り、そこに書き込んでもらいました。
簡単な作業のはずですが、それでも時間がかかる子がいます。またマンガには「ジャーン」とか「ドーン」など、擬音が書かれていますが、それを道具の名前と勘違いする子もいます。びっくりするような読み方をする子もいて、ある意味、勉強になります。
それでも、少しずつですが面白い、と思えるようになってきたようです。親御さんからも「楽しいと言っている」と感想をいただきました。良かったです。
国語の読解力向上は時間がかかるもの
学校の教科でも国語の読解は、成績向上に時間がかかる教科です。それだけに、焦ってしまうこともあります。確かに、学年が上がってからでは苦手克服が厳しいこともあります。だからこそ、時間をかけられる小学生低学年から鍛えていきたい教科です。
方法は一様ではないと思いますが、じっくり考える習慣をいかにして身につけるか、が大切です。