勉強は結局自分一人で、できるようにならないと力がつきません。教えてもらう人も教える人も、そこを目指すべきです。
(以前にも記したテーマですが、最近の夏期講習でまたこのことを考える機会があったので、考えをまとめてみました。)
勉強のサイクル
課題を解き、あるいは覚えて、疑問があれば調べたり質問したりして、解決したら次なる課題へ、という感じで勉強は進むと思いますが、このサイクルが自分でできる人はあえて塾に来る必要はないかな、と思います。
かく言う私は学生時代このサイクルでずっと勉強していまして、特に塾の必要は感じていませんでした。課題は問題集や参考書を使っていました。疑問は自分で参考書を調べたり、先生や友達に質問していました。別に珍しい勉強法ではありません。ごく普通だと思います。
勉強のやり方がわからない人は何がわからないのか
何を勉強すれば良いかわからない、つまり課題というか、勉強の対象がわからない、と言う人がいますが、実はいくらでもあります。本屋さんに行けば問題集や参考書はたくさんありますから、それを選べば良いですよね。オススメはいろんなサイトで紹介されていますから、それを参考にしても良いです。が、大抵は学校でワークが与えられていますから、まずはそれを使うのがベストです。
疑問が浮かべば、参考書や辞書を使いますので、それも揃えておきましょう。これもまた本屋さんで選びましょう。サイトも参考にしましょう。
これらさえあれば、勉強を進められるはずです。
なのに、勉強のやり方がわからない、とか何を勉強すれば良いかわからない、と言う人がいます。彼らは何を求めているのでしょうか。恐らく「ヤマかけ」をしてテストに出るところだけを勉強することを求めているのだと思います。これだけを覚えるのが勉強だと。そしてそれだけを教えろ、と。学生だけでなく、一部の親御さんにも、この傾向があります。
しかし、実はテストに出るところだけを勉強しようとすると、かえってめんどくさいことになります。知識が「ぶつ切り」になり、理由や流れがつかめないまま、詰め込み型の勉強になります。これは、覚えにくいし、定着しにくいし、応用がきかないし、全く効率が悪い勉強です。テストに出ない、一見無駄と思える知識に記憶や応用の鍵があります。(またいつか、この点をテーマに記事を書こうと思っています)
それで、効率だの能率だの、最小限の努力で、などにこだわる時間があるならば、手元にある学校の課題に「愚直に」取り組むべきです。それが結局一番効率の良い勉強になるはずです。そういう、素朴な勉強をしている人が成績上位に来ています。成績不振だという人は、まずは基本的な勉強を大切にしてください。
塾では何を教えるか
塾では、課題を与えたり、質問を受け付けたりしますが、わたしは上記の勉強のサイクルが身につけば、成績は自然に上がるという考えなので、まずは生徒たちがそれができているかを見ています。今や何も言わなくても、勉強を始められる生徒もいて、それはそれで良い傾向として、自由に進めさせています。気をつけているのは科目の偏りですね。どうしても好きな科目から勉強してしまい、嫌な、苦手な科目は後回しになりますから。「嫌なことは早く済ます」の原則で進めています。
疑問を先生に尋ねるのではなく、教科書や塾の辞書・参考書を使って調べることができれば、その方が良し、とも思っています。塾で教わるのは卒業とともに終わりますが、辞書・参考書などを使っての勉強法は一生モノだと思うからです。
わからないことがあれば調べれば良い
ワークの問題がわからないことだらけで嫌になる人がいますが、知らないことは解けないのは当たり前ですね。であれば、調べれば良いだけの話です。恥ずかしいことでもなんでもない、これまた「愚直に」調べましょう。時間がかかるかもしれませんが、自分で調べた知識は定着しやすいです。同じ問題を2度3度解けば、なおさら定着します。
当たり前の事実なのですが、このことを知らない子は意外に多いです。解けないこと、知らないことにがっかりして、やる気をなくし、すぐに簡単な単元の復習をしようとします。そんなことを続けたら、いつまでも不得意は残りますし、やがては解ける問題がなくなるでしょう。わからないなら調べれば良い。それだけです。できる子ほど、謙虚に、素直に、このことができます。これをしないのは「カッコつけ」です。
独学できれば塾はいらないけど、それでも
自分で勉強を進められれば、塾なんていらないですね。お金もかかりますし、時間の無駄にもなりかねない。それでも塾に通う意義があるとすれば、
①ペースメーカーになる。ペースは学校の進度が基本ですが、それでもどこまで進めておけば良いのか、手引きしてもらうと助かりますね。
②ライバルの様子がわかる。自分の学校だけでなく、志望校を同じくする子がどの程度のレベルにいるのかがわかると、刺激になります。
③テストを数多く受けられる。自分のレベルを知るとともに、テストに慣れることは大切です。時間配分の要領や緊張感の対処を知っておくのは、本番に備えることになります。勉強以外の準備、ということになるわけですね。
塾はやがて卒業するが、勉強は一生続く
全く勉強しない人はいません。技術職でも、管理職でも、専門職でも、健康のためにも、子育てのためにも、人生のあらゆる局面で、人は勉強をすることを必要とします。その基礎づくりが、学生のうちにしっかりとできていれば人生が豊かになると思います。
うちの塾で学んだこと、塾に通った経験が、学生時代だけでなく、卒業後にも役に立てば嬉しいです。私は青二才の、身の程知らずで、塾に通うなんて人生のほんの一瞬ですが、こんな壮大なことを考えながら、塾で教えています。